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ザ・スーパー・ポップ宣言

アイドルポップ5

アイドルポップの世界(5)


KAICHIEMI WINK.jpg CANDIES SYOCYUU KUDOU YUKI STRAWBERRY TOWN.jpg SAWAMURA pumpkinlove

アイドルポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)

アイドルポップ映像の世界

穂口雄右氏インタビュー

アニソンポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)

アニソンポップ映像の世界(1) (2)

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電波ポップ動画の世界

アイドルマスターの世界

「恋はあせらず」トラック世界大会


【 ポップ偏差値 60

レインボーシスターズ / 悲しきウェザーガール '84 作曲編曲木森敏之

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重低音ナイアガラサウンド炸裂。基本メロディはPHIL SPECTORの「RONNETS / I WONDER」とあと他にも何か混じってる気がします。全体のエコー感は大滝詠一ナイアガラ系で特にドラム&ベースの重量感が凄い。お約束のカスタネットも響いてます。擬音ファンには嬉しい雨音と雷の擬音入りで使い方も上手です。シスターズとは言ってもヴォーカルは一人のようで、それがチト弱く、女性コーラスはどうやらプロによるもの。「80'Sメモリアル・アイドル ファースト・キッス」収録。

84年4月より始まったテレビ朝日系「ウェザーショー」の毎日変る7人のお天気お姉さん達が、このレインボーシスターズ。予報が外れると翌夜の「トゥナイト」で顔にパイをぶつけられていたとのこと。女子アナの迫文代さんも在籍。

レインボーシスターズに関する記事を見つけましたので、画像追加アップしました。この記事によると、実際に録音したのは、井上摩美、よしだ麻子、栗田真里の3人だそうです。下↓の【おまけ画像コーナー】に大きな画像があります。

明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(音壁の重量感)ポップ偏差値合計
66777796560


MORE PEACH SUMMER / パワードスーツを脱がさないで '04 作詞西直紀 作曲編曲高浪敬太郎

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ケロロ軍曹挿入歌で「ケロロ軍曹 ケロロソング、全部入りであります!」収録。歌う「MORE PEACH SUMMER」は斎藤千和・池澤春菜・能登麻美子の3人の声優さんユニット。作曲/編曲は元ピチカート・ファイヴの高浪敬太郎。速めの軽快なテンポでグルーヴはなかなかのもの。メロディは少しポップさには欠けますが「河合その子 / 落ち葉のクレッシェンド」辺りに似たちょっとセンチで落ち着いた内容。そして曲の最大の特徴は何と言っても、80年代アイドルポップの有名曲のタイトルを散りばめた歌詞にあります。

タイトルは「おニャン子クラブ / セーラー服を脱がさないで」のパロディだし、歌詞では「松田聖子 / 白いパラソル、青い珊瑚礁」、「キャンディーズ / ハートのエースが出てこない」 、「ピンクレディ / ウォンテッド」、「おニャン子クラブ / およしになってねTEACHER」、「うしろゆびさされ組」、「小泉今日子 / 渚のはいから人魚」等など。まあ単なる羅列以上の何かがある訳でもないですが、この時代の曲を愛聴した世代なら思わずニヤリとすること請け合いでしょう。

「YOU TUBE」のこちらで試聴可ですが、オススメは何と言ってもアイドル・トリオ仕立てに丹念に作りこまれたアイドルマスターMAD動画↓の方。「やよい、春香、雪歩」の人気トリオによる可愛らしいダンスが実に魅力的です。こういう出来の良い動画で聴くと、曲も数段活き活きして聴こえてくるから不思議です。

[MAD]アイドルマスター パワードスーツを脱がさないで

TVアニメでは「第62話」の1分28秒から等に使用されているようです。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(懐古&MAD動画)ポップ偏差値合計
66778777560



【もうすぐランクイン】

青木美冴 / うれしい体験 '75 井上忠夫作曲 竜崎孝路編曲

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ルックスからも一目瞭然ですが、いわゆるカワイコちゃんアイドル・ポップではなくヴォーカルに力のある「実力派」アイドル・ポップ。平山三紀辺りを思い浮かべて頂ければいいかも。アップテンポで軽快なロック調サウンドでロック・ギターが鳴り響く少しうるさい曲調。ソウルフルで拳の効いた歌いまわしに女性としては骨太なヴォーカルが炸裂する。所謂アイドル・ポップが好きな方にはサウンド、ヴォーカル共にとっつき難いかも知れないけど、何度も何度も聴けば直に慣れてこの曲の味わい深さの虜になっちゃうかも。特にソウルファンには馴染みやすいはずなのでオススメです。

浅香唯 / 10月のクリスマス '86 「STAR LIGHTS」収録 吉実明宏作曲 若草恵編曲

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基本トラックは「RONETTES / BE MY BABY」でそれを現代風な楽器の音色で彩っている。エコーのかかったカスタネットやドラムなどナイアガラ的音壁度の高い作品。ストリングスの調べは崇高な感じを出していてなかなかお上品。英語のコーラスが全体をリードする感じもあり洋楽的雰囲気もある。然しながら全体のムード、メロディは落ち着いたもので少し湿っぽく小雨でも降ってそうな雰囲気。ポップ感は少ないがメロディは良く出来ているので人によっては高評価もあり得るか。

麻倉未稀 / リメンバー・ターン '84 作曲いけたかし(池毅) 編曲戸塚修

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「BE MY BABY」トラックなフィルスペクター/大滝詠一系音壁ポップ。作曲はアニソン中心に多くの流麗でポップなメロディの作品を残した池毅。ここでは熟女系シンガーへの提供ということでポップさは減退しつつも流麗なメロディは健在です。歌い手はアダルトなフェロモンを漂わせてセクシーな雰囲気だけどちょっと喉越し良すぎる感があるかな。トラックは重量感のあるドラム、軽やかなカスタネット、優雅なストリングス、きれいなエレピなどで構成され派手さは無いがバランスは良い。こういうのはAOR音壁サウンドと言っていいかも知れないですね。

飯島愛 / ナイショDEアイ!アイ! '93 作曲BRO.KORN 編曲鳥山雄司 「なんてったって飯島愛」収録

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元AVの女優ながら後にタレントとして大成した飯島愛のデビュー曲。「MFSB featuring The Three Degrees / TSOP(ソウルトレインのテーマ)」をベースとした70年代を彷彿させる軽快なディスコ系アイドル・ポップ。高揚感のある爽やかなメロディに魅力があり、「アイ!アイ!」や「フゥー!フゥー!」といった合いの手を交えた電波ソング的側面も面白い。「YOU TUBE」で聴けます。

飯島愛というと、この当時その露出度の高さやケバいファッションなどで一部コギャルなどに崇拝されていて、「浅草橋ヤング洋品店(ASAYAN)」で催された、「なりきり飯島愛大会」なるものが強烈に印象に残っている。そこでは飯島愛風な露出度の高い衣装とルックス、ガングロなコギャル達が揃い、彼女に輪をかけて○○でルックス的には○○なコギャル達の言動は私を驚愕と爆笑の渦に巻き込んだ。

特に「オラウータン」と言われてしまった「飯島メメ」ちゃんのキャラは超強烈。「YOU TUBE」にはアップされていないようなので、久々に録画ビデオを探したらダイジェスト版が少し残っていたので、画像でご紹介しますね(大きい画像はこちらにあります)。どなたかフルで映像お持ちじゃないですか?「YOU TUBE」には「なりきり飯島愛大会」の小学生版、「小学生飯島愛コンテスト」のみアップされてますが、こっちはインパクトはいまいちなんだよなあ。

なりきり飯島愛大会 飯島愛本人も出演!

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なりきり飯島愛大会 これが飯島メメちゃんだ!

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伊藤咲子 / きみ可愛いね '76 三木たかし作曲

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「ひまわり娘」伊藤咲子の76年の7枚目のシングル曲。「シャララ~」、「フゥフゥフゥ」と爽やかな女性コーラスが特徴的なアイドル歌謡。アイドルポップというよりも歌謡曲としか表現しようが無い雰囲気ですねえ。軽快なテンポにクルクル回るストリングス、ギターの音色も軽やかで実に春っぽい雰囲気の曲です。80年代以降のアイドルポップと比較するとヴォーカルは骨太でアイドルにしては歌い過ぎだろ!って感じがしますが、この頃はまずはこのぐらい歌えないと話にならなかったんでしょうねえ。ヴォーカルに力が求められていた古き良き時代の典型という感じがします。

「YOU TUBE」でライブ版が聴けます。聖子ちゃんカットの原型みたいな髪型してますねえ。コーラスが岩崎宏美、森昌子、太田裕美、そしてキャンディーズと超豪華!と思ったら開始時の立ち位置を見ると口パクのようで残念。

井森美幸 / 瞳の誓い '85 作曲林哲司 編曲萩田光雄

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「99粒の涙」というウォール・オブ・サウンド・バラードの名曲を持つ井森美幸。ルックス的にアイドルとしてはいまいちでしたが、当時いわゆるバラドル(バラエティ・アイドル)のはしりとして活躍していました。「99粒の涙」とほぼ同じ時期に同じスタッフによって作られたこの曲は前者ほどではないですが、軽快なピアノの響きが心地よいプチ音壁ソングとなっています。

メロディは全体として暗く湿った内容ですが、バラードとしてなかなか魅力的。行進曲として使えそうなテンポの「STOP! IN THE NAME OF LOVE」リズムは軽やかでいい。これでベースやドラムなど、もう少し音壁要素があればかなりの良トラックと言えただろうにね。そして残念ながら前者同様、彼女の歌声に全く魅力が無いのが非常に大きなマイナスポイント。(っていうか聴くのツライ、、、。)将にバラドルのイメージそのままの声質で、音痴なのは止むを得ないとしても、これじゃあ興醒めですよね。

「99粒の涙」同様に曲自体はなかなかの出来なので、是非他の歌手による音壁カバーでこの曲本来の隠された魅力を十二分に引き出して欲しいところ。岩崎元是Pで金月真美さん辺りカバーしてくれないかなあ。【注意】明るくポップな曲ではありませんのでご注意下さい。それと井森美幸さん、ゴメンネ。

岩崎良美 / VACANCE '82 パンタ作曲 清水信之編曲

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頭脳警察やPANTA&HALで知られるパンタの作曲。いきなり爽快で高揚感ある大サビで始まり、かなり期待感を持たせる。というかバックコーラスと混じって岩崎良美が歌うその部分こそがこの曲の魅力の大部分という感じ。なかなか日本人離れした粋なメロディだが、大仰で大味なメロディということもあり、ちょっと飽きやすいのが難点。「コルシカの風」「焼けた肌」など南国でのバカンスを想起させリゾート風味満点で開放感はある。バックサウンドはシンセを前面に出していてそれが少し耳障りだがテクノ好きには歓迎されるかも知れない。

江崎まり / クリスマスに間にあわない! '91 作曲小森田実 編曲新川博 「愛しにきてね」



1991年に2枚のアルバムを発表し、ひっそり消えてしまったアイドル歌手の音壁曲。91年のCD「愛しにきてね」収録。SONYのアイドル・ミラクルバイブルシリーズコンピ「アイドルはM」にも収録された。編曲は当ブログでもお馴染みの音壁職人、新川博氏でアイドル音壁大作の「中嶋美智代 / 泣いていいよ」をはじめ、「中嶋美智代 / 日記の鍵貸します」志村香 / 秋風はあなたERI(菅井えり) / 恋はドーナツショップでオレンジ・シスターズ / サマー・ホリデー等数多くの良曲を既に紹介しています。本曲も基本はクリスマスをテーマにしたアイドルポップですが、しっかりとしたウォール・オブ・サウンド仕様。明るくキャッチーなメロディに、爽やかで派手目のコーラスが特徴的。音壁的にはカスタネットの響きが目立つぐらいですが、良質で気合の入った新川博氏のよるアイドル音壁の一つと言えるでしょう。

「YOU TUBE」で聴けます。

太田裕美 / 木綿のハンカチーフ '76 筒美京平作曲 筒美京平&萩田光雄編曲

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ポップ感は少ないのですが、恋人との別れを綴った悲しい歌詞をミディアムテンポで歌ったアイドルポップ名曲。寂しさを感じる女性の心情を明るく爽やかにテンポよく歌い上げることで、実に味わい深い作品になりました。

男性パート部分を「ボク」という一人称で女性(太田裕美)が歌うという、いわゆる「ボクもの」ソングで、それ好きな男性のフェチ心をくすぐる内容となっています。(当ブログでは「小西寛子 / BE ALL RIGHT・・・」が「ボクもの」に該当。)
チェルシア・チャンによる広東語カバー「六月天」も中国語の柔らかで不思議なムードが漂う面白い作品でオススメです。

大滝裕子 / 異性 '81 作曲筒美京平 編曲後藤次利



79年に歌手デビューした女性アイドル大滝裕子の5枚目のシングル曲。81年のヤクルトジョア・イメージソングってことですけど見覚えないなあ。作家陣は作曲筒美京平、編曲後藤次利となかなか豪華なアイドルポップ。後藤次利は当ブログでは「田中真美 / 涙のロンリー・ボーイ」「河合その子 / 落葉のクレッシェンド」に続いての登場。大滝裕子の演歌臭のある歌唱と転調のある筒美京平メロディを軽やかに仕上げた感じ。口笛の聞こえるイントロなどのフィリー風インスト・パートは筒美京平風かも。明るい雰囲気と品の良さ、乾燥感が素晴らしくここが一番の聴き所、その後の「あたな好き好き」というAメロもキャッチーな出来だけど、転調したりとその後のメロディはいまいち魅力薄かな。全体として感じられる70年代的感触が美味な曲です。ミリオン・キスは80年代風だけど、なかなかポップ。

「YOU TUBE」で聴けます。

大場久美子 / スプリング・サンバ '79 作曲和泉常寛 編曲萩田光雄

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アイドル・ポップをサンバ風に味付けしてみました、という作品。編曲の萩田光雄氏は音壁アイドルポップの名曲「北原佐和子 / 悲しきカレッジ・ボーイ」、「井森美幸 / 99粒の涙」、他にもフィリー風アイドルポップ「桑江知子 / 永遠の朝」などなど当ブログでもお馴染みの名アレンジャー。アイドルポップ、しかも大場久美子の曲ということもあり本場の一線級グルーヴとはかけ離れた内容だけれども、サンバのエッセンスを程よく取り入れうまく纏められていますね。特に「AH YEAH, OH YEAH, AH YEAH」という合いの手のアレンジは秀逸で味わい深くクセになりそう。メロディが暗めなのが残念だけど、なかなかキャッチーな内容でアイドルポップの隠れた名曲の一つと言えるでしょう。

「YOU TUBE」で聴けます。水着姿で胸を揺らしながら歌って踊るライブ版はファンには堪らないかも。

岡田有希子 / - DREAMING GIRL - 恋、はじめまして '84 作曲竹内まりや 編曲萩田光雄

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悲劇のアイドル岡田有希子の3RDシングル。作曲は竹内まりやで如何にも彼女らしい温和で明るく洋楽テイストのある曲です。編曲は萩田光雄で、当ブログ既出の「北原佐和子 / 悲しきカレッジ・ボーイ」「井森美幸 / 99粒の涙」ほどの音壁アレンジでは無いけれど、イントロのエコー感のあるエレピの音色がいいアクセントになっています。岡田有希子の唱法も程よく可愛らしさを曲調した甘えた感じがアイドルっぽくてイイですね。元気一杯って曲ではないけれど、和める80'Sアイドルポップの良曲です。

「YOU TUBE」でPVが見れます。

荻野目洋子 / 2Bの鉛筆 '85 作曲編曲船山基紀「貝殻テラス」

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荻野目洋子の3rdアルバム「貝殻テラス」収録のウォール・オブ・サウンド仕様アイドル・バラード。編曲はやはり同じ85年の「若林加奈 / COOL~アナタガタリナイ~」でも音壁サウンドを実現させた船山基紀氏。重量感のあるベース&ドラムの低音域を基礎に、滑らかに鳴り響くエレピ、軽やかなカスタネット、爽やかなコーラスなどの高音域をバランス良く、かつ大胆に配置したサウンドは聴き応えが有ります。メロディラインもきれいでなかなかの出来ですが、憂いを帯びた内容は僅かに個人的嗜好からは逸れるかな。(おまけ画像は小学生アイドルグループ、ミルク時代の荻野目洋子。)

オレンジ・シスターズ / サマー・ホリデー 84年 作曲編曲/新川博

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出だしなどのメロディが「大滝詠一/カナリア諸島にて」に似ています。カスタネットも入って、その後にすぐフィルスペクターの「RONETTES / be my baby」みたいなブレイクが入り、結構ナイアガラ系な明るいポップスです。メロディが少し弱く、ハーモニーがないのも残念。B面はベンチャーズ編曲で軽快な60S風ポップスに仕上がっています。

甲斐智枝美 / チェミィはアイドル '80 作曲高梨めぐみ 編曲船山基紀

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彼女の1STアルバム「WINK」収録曲。ベスト盤の「甲斐智枝美コレクション」などにも収録されています。シングルカットされていないので、いわゆる隠れた名曲ということになりますね。そのベスト盤を聴くと、「スタア」,「さよならサンセット」,「あなたは天使」など偏差値60クラスのなかなかの佳曲揃い。それらは総じてちょっと憂いを帯び&緊迫感のある内容で、ちょっとキーが合わないのか歌声が苦しそうなのが惜しい。そんな中でこの曲は明るめの曲調と相まり、ちょうどキーも合ったのか、なかなか伸びやかに歌えておりとても良い出来になっています。

まずは長めに用いられる「トゥインクル トゥインクル チェミィ・スター」という女性コーラスが明るく華やかなムードでいい。これは往年の白人DOO-WOPグループのヒット曲「Elegants / Little Star」のフレーズをアレンジしたものでしょう、かなり効果的に作用しています。それに導かれて歌いだす彼女の第一声もカラッと陽性。高揚感のあるサビのメロディも「アイドル」という歌詞がいかにも70/80年代のアイドル全盛時代を彷彿させ、いま聴くと風情があっていいものです。サウンドはゆるめで曲調もホンワカとしていて悪く言えばダサイし緊迫感に欠けるけど、全体として感じられる50/60年代オールディーズ的雰囲気は個人的に好きな内容。因みに彼女、本当にお空の星になってしまいました。

河合その子 with おニャン子クラブ / 恋のチャプターA to Z 作曲編曲後藤次利 '85



デビューから立て続けに当ブログ的にクオリティの高いスーパーポップを連発したアイドルと言えば松田聖子が筆頭だけど、おニャン子クラブの河合その子もなかなかの良曲を連発しましたね。1stシングルの涙の茉莉花LOVE、2ndシングルの落葉のクレッシェンドにアルバム収録曲の恋のカレッジリング。これらは全て作曲/編曲が後藤次利なので、松田聖子/小田裕一郎コンビを彷彿させるような活躍です。この3曲は多少の湿り気を感じさせる曲はあるけれども、どれもアップテンポで快活な雰囲気を持っているのがいい。

涙の茉莉花LOVEのカップリングだったこの『恋のチャプターA to Z』も同様にアップテンポな曲でちょっと感傷的な雰囲気があるところも同じ。チープで機械臭漂うアレンジはいまいちだけど間奏部分なんかはなかなかいい雰囲気。曲の名義に「with おニャン子クラブ」とあるようにアイドルグループ的な賑やかな雰囲気を加えたのも正解だったかも。

「YOU TUBE」で聴けますが、やはりここは夕やけニャンニャンでのスタジオライブ版を楽しんで欲しいところ。

樹本由布子(木元ゆうこ) / べつにシンドローム '85 作曲三木たかし 編曲矢野立美

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「コロムビア・アイドル・アーカイブス 女の子編 VOL.1」収録。B~C級感漂うアダルト系アイドルの軽快なポップス。ルックス的には「5万円貰えるならヤッテあげてもいい」域を出ないけど、この曲で聴けるちょっぴり女子大生的色香漂う歌はなかなか魅力的。明るく乾いた曲調に「別に、別に、別に」と歌うサビが実にキャッチーです。TV番組などで事件に因んだ曲をBGMに使用することがありますが、この曲は、「沢尻エリカ / 別に・・・」発言事件のBGMに最適なのではないでしょうか。

キャンディーズ / 暑中お見舞い申し上げます '77 佐瀬寿一作曲 馬飼野康二編曲

CANDIES SYOCYUU

キャンディーズの14枚目のシングル。これだけ明るくテンポの速い曲調ながらかなり後期の作品というのが意外な感じがする。アイドルの一つのパターンとして、経年とともに徐々にテンションが下がり、暗く湿った大人な曲が増えていくというのがあると思うが、この曲は明るくてテンションも高いです。ピンクレディに負けるな、と気合の入った一曲だったか。ロック調ギター、弦や管などによるサウンドも分厚くうるさすぎるぐらい。「うっふーん」といったちょいお色気路線なおかずやハーモニーも明るく華を添え、実に夏らしい元気で健康的で溌剌とした感じを出せてるネ。なお、この曲には没バージョンのパート2もある。現在YOU TUBEにこの曲の映像がアップされています。

工藤夕貴 / 涙のペチコート '86 「STRAWBERRY TOWN」収録

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工藤夕貴 / ハートブレイクの微笑 '86 シングル「ガールフレンド」収録 作曲鈴木キザブロー 編曲和泉一弥

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フィルスペクター/ウォール・オブ・サウンド系アレンジの施されたアイドルポップ。元気で弾けた曲ではないのでポップ偏差値こそ低いですが、音壁偏差値は厚く高い。シングル「ガールフレンド」のB面収録曲で未だCD化もされていないことから将に隠れた名曲と言えます。

曲調は同じ86年の「国生さゆり / バレンタイン・キッス」かな。ミディアム・テンポで程よい明るさのしっとりと落ち着いたメロディはなかなか良く出来てます。聴き所はやはり音壁アレンジで音の厚み、エコー感は十分。加えて現代的で華やかなキラメキ感を持ち合わせた点が優れてます。歌声も無難で特に萌えロリ声という訳ではないので歴戦の洋楽音壁ファンにも十分受け入れ可能でしょう。爆音対応可能で耐聴性に優れた音壁構造となっております。

工藤夕貴 / DIARYは秘密でいっぱい '86 作曲芹澤廣明 編曲大谷和夫 「STRAWBERRY TOWN」収録

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80年代アイドル工藤夕貴のアルバム「STRAWBERRY TOWN」収録曲。彼女の曲は既に同アルバム収録の「カレン」「ハートブレイクの微笑」という共にウォール・オブ・サウンド仕様の曲を取り上げていますが、この曲も同様に音壁仕様。こっそりと音壁アイドルしてた訳ですねえ。「野生時代 ハミング・バード・イヤーズ・コンプリート・シングルス」というCDにも収録されているようです。

曲はある程度テンポのあるバラードでサビの盛り上がり含め全体的に良質なメロディ。如何にもこの頃の松田聖子が歌ってそうな曲です。サウンドは時折入るエコーの効いたドラムスの重低音が特徴的。そこに軽やかなカスタネット、煌めき感のあるグロッケン、優雅な雰囲気のストリングスなどが華を添える。編曲の大谷和夫氏は当ブログでも取り上げているアイドルポップの金字塔「石川秀美 / 涙のペーパームーン」、ハリーラブ名曲「本田美奈子 / ONEWAY GENERATION」などを手がけているだけあって流石のセンスですね。作曲の芹澤廣明氏も当ブログ既出の「森口博子 / エンドレスドリーム」「堀江美都子 / DON'T YOU・・・?」などを手掛けています。

桑江知子 / あいつの夢は一千光年 '79 作曲水谷公生 編曲佐藤準

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実力派アイドル歌手、桑江知子さんのヒットシングル「クリスタル・ハネムーン」のB面の曲で「MY これ!クション 桑江知子ベスト」などのベスト盤にも収録されています。

誰にでも無意識に、条件反射的に、曲がかかると思わず口ずさんでしまうフレーズというのが有ると思うのですが、私の場合この曲のサビメロがそれ。アイドルポップとしては特に瑞々しさに秀でた内容ではないし、洗練された切れのいいポップスという訳でもない。然しながらサビの明るく爽快で高揚感のあるメロディは無理なくスムーズなラインを描き、実に口ずさみ易い内容。「あーあー、あいつの夢は一千光年」とか「一角獣座のバラ色星雲(画像2)」とか宇宙の広大さを取り入れた雄大さもまた気分がいい。私はカラオケが大嫌いで一度も歌ったことが無いけど、この曲ならば一度くらい歌ってもいいかな。

桑田靖子 / GOOD-BYE MY LOVE 作曲芹澤廣明 編曲馬飼野康二 '84 「バケーション」



1983年デビューで歌唱力が売りだった桑田靖子の3RDアルバム 「バケーション」収録の音壁曲。いまいち売れなかった所謂B級アイドルのアルバム収録曲ということでかなり知名度は低そう。作曲はアイドルポップのオールディーズ路線で何度も取り上げていて当ブログと相性の良い芹澤廣明。曲はタイトルからも推測できる悲し気なバラードでウォール・オブ・サウンド仕様曲。84年というとアイドル音壁としては「北原佐和子 / 悲しきカレッジ・ボーイ」などがあり、盛んに音壁が作られていた古き良き時代という感じですね。本曲はそれらの中でもメロディ、歌唱、音壁とどれもなかなかの高水準なのでお勧めです。音壁としてはピアノやカスタネットの響きがいい感じで、特に後半3分30秒からの短い間奏では、「ピアノが高らかに鳴り響き、裏でカスタネットが激しく連打される」というファンには堪らない迫力のある音壁全開箇所があり、思わずハッとさせられます。逆に言うとここだけ浮いてる感じもあるんですけどね。






アイドルポップの世界(6)


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